相続登記の義務化の陰で注目されにくい改正が、この「住所変更登記の義務化」です。
しかし、実際はこの改正のほうが対象になる方がかなり多くなると危惧されます。
まずは、どんな要件があるのか、見ていきましょう。

簡単に言うと、対象は
登記簿に所有者としてお名前が載っている方(法人も含む)全て
です。
期限は、住所(本店所在地)や氏名(商号)が変更されてから2年以内に変更の登記申請が義務付けられます。
過去の変更も含まれますので、今既に、氏名・住所が変更しているが、変更登記がまだの方は、法律の施行から2年以内に変更登記の申請を行うようにしましょう。
とはいうものの、そもそも登記上の住所、登記簿って何だろう?
と思われる方もいらっしゃると思います。
登記簿とはどういうものなのでしょうか。

土地や建物を購入・相続等で所有者になった際、登記の手続きをした記憶がある方はいらっしゃるでしょうか。
ここでいう「登記の手続きをする」というのは、
「登記簿」という書類に所有者として氏名・住所が記載されるということです。
これが、登記名義人になるということです。
「登記簿」という書類は不動産毎に、その不動産の状況(場所や広さ、建物なら何階建て、所有者、住宅ローンでつけた抵当権の表記など)が記載されています。
法務局に保管されており、所有者以外の誰でも謄本を取得できます。
ここに、←の様に、所有者の方の氏名・住所が記されるのですが、原則所有者の方が自分で申請する必要があり、何等か変更があっても、自動的に変わることはほとんどありません。
市役所や町役場で住所の転居、氏名の変更手続きをしても、登記上の住所や氏名は変わることはありません。
ご自身で(もしくは司法書士に依頼して)、法務局へ住所の変更登記を申請する必要があります。
これまでは、登記簿上の表記(一部を除いて)は、実際の住民票上の住所や氏名に合わる義務はありませんでした。そして、住宅ローンの完済後に抵当権を抹消する時、売却の時などに、ついでに住所の変更登記を申請するということが一般的でした。
ですので、そんなタイミングがなかった方が所有されている土地や建物の登記簿は、昔の住所や氏名のままになっているものがかなり多いと想定されます。
これは相続登記を放置しているケースよりもかなり膨大な量になると想像できるので、変更登記を怠ったことによる過料というのが、現実的にどういったケースに対して請求されることになるのか、また、しばらくは救済措置が取られることになるのではないか、専門家としても注視しているところです。
