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不動産の評価(相続)①

ご自宅の価格を知っていますか?

目次

相続手続き:早めに確認しておきたい財産の評価

(※令和4年時点の法令に基づいた記事になります)

相続手続きで注意することは沢山ありますが、その中でもまず初めに注意することは、相続税の申告が必要かどうかという点です。相続時には基礎控除3000万円と相続人の数×600万円の控除、その他多くの控除の規定があります。そして、遺産の総額がその控除を越えていると、相続税を支払う必要があります。尚、相続税の申告は、相続税がかかる人だけ必要になるので、基礎控除等の額を越えない=相続税を支払う必要がない人は、相続税の申告も不要です。

また、相続税がかかる場合、相続税の申告・納付までを相続開始から10ヵ月以内に済ませる必要があるので、相続税がかかるケースについては、早急に手続きを進めていく必要があります。

上記のことを踏まえると、相続手続きでまず第一に必要なことは、どんな遺産があるのか、そしてその額はいくらなのか、をできるだけ早く把握するということになります。

特殊な財産を除き、一般的に相続税算定に関わる高額な遺産としては、①不動産②現預金③有価証券④保険(保険は遺産ではありませんが、その額は相続税の算定に含まれます)があります。

このうち②~④は残高証明を発行してもらえば額はすぐに判明します。多くの方が困るのが不動産の評価です。この評価額が判明しないと、相続税がかかるのかどうかを判断できない人は沢山いるのではないでしょうか。実際こんなに高いと思っていなかった!という声を依頼者の方からもよく聞きますので、注意が必要です。

尚、居住用不動産については、土地の評価を8割減できる特例があることを知っている方もいるかもしれません。しかしこの特例は、相続税の申告を行い、特例を利用した方のみが適用になります。つまり、相続税の申告をしなければ、この特例を利用することはてきず、評価を下げることはできないという点には注意してください。

また、不動産といっても、土地と建物の評価方法は異なります

さらに、自分の居住用の不動産か、土地か建物を賃貸していたかによっても評価方法が変わります(賃貸している不動産については不動産の評価(相続)②で解説します)。

ここからは、賃貸していない土地や建物の評価方法についてみていきたいと思います。

相続手続き:建物の評価額

  1. 建物の評価額=固定資産税評価額

建物については、毎年送られてくる、「固定資産税納税通知書」に記載のある「(固定資産税)評価額」が、相続税の算定でも使用されます。通知書がない場合は、その建物がある市区町村の固定資産税課で評価証明書を発行してもらえるので、調べてみましょう。申請書をダウンロードして、戸籍・除籍・身分証のコピー等を添付して郵送で請求もできます。

相続手続き:土地の評価額

問題は土地の評価方法です。

土地の評価額は、建物のように固定資産税評価額ではないので、すぐには出てきません。自分で計算する必要があります。

また、算定方法は2通りあります。

  1. 路線価方式
    • 「路線価」「土地の面積」✖「補正率」
  2. 倍率方式
    • 「固定資産税評価額」✖「倍率」

路線価方式・・・路線価が定められている地域の評価方法です。路線価とは、その道路に面する土地1㎡あたりの評価額のことで、国税庁のホームページで確認することができます。路線価方式の計算式は以下のとおりです。

例)路線価150,000円 土地の面積60㎡

計算式1㎡辺り150,000円 ✖ 60㎡  9,000,000円 (土地の評価)

但し、この路線価方式には、土地の形や道路に面する形状等により、評価額が増減する補正率という値も定められています。正確な補正率を確認し評価額を算出するには、専門的な知識が必須となる為、税理士もしくは不動産鑑定士に依頼する必要があります。

倍率方式・・・路線価が定められていない地域の評価方法です国税庁のホームページに搭載されている「評価倍率表」を確認し、固定資産税評価額にその倍率をかけて算出します。

不動産の本当の評価額

実は、上記の様に算出した価格はあくまで一つの公にされている基準を元に算出した数字であって、必ずしもそれしか認められないわけではありません。これが、不動産のある意味よい特徴です。

相続のご相談があった際、相続税の申告が必要な方に関しては当然ながら税理士と一緒に手続きを進めていくことになりますが、時々、不動産評価が高すぎて相続税が高額になる場合は、不動産鑑定士をご紹介することがあります。国家資格で不動産を評価する権限が唯一認められているのが、不動産鑑定士です。路線価等も鑑定士が算出しています。この不動産鑑定士に、本来の不動産価格を算定してもらうのです(費用は一般的に30万円前後です)。原則、税務署はこの評価に対して異議を述べる立場にはいません。建物一つとっても、老朽化や出入口の不便さ等、事情は様々です。そういった個別の事情を鑑みて、不動産価値を下げることも可能ですので、高い相続税が疑問の方は、諦めないで頂きたいと思います。

また、遺産分割協議で評価が必要な場合は、個別に価値を見出し評価を上げたうえで、協議したいということもあるかもしれません。そういった場合も、やはり本当の不動産価値を判定したい場合は、最終的には不動産鑑定士に鑑定評価を出してもらうという方法もあるのだと知っておいてもらいたいと思います。

不動産の評価額

 建物の評価額

  固定資産税評価額

 土地の評価額

  路線価方式  「路線価」「土地の面積」✖「補正率」
  倍率方式   「固定資産税評価額」✖「倍率」

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